市政の動き−議会報告
【11.04.05】TPPの請願書・意見書に関する市議会の対応
参加に反対の請願書は不採択、拙速に参加しない意見書は採択
3月市議会最終日の22日、TPP(環太平洋連携協定)に関する請願書と議員提出の意見書に対する採決が行われました。農民運動愛知県連合会提出の「参加に反対」の請願は不採択となりました。一方、議員提出の「拙速に参加しない」は全議員の賛成で採択となりました。
参加すれば、食糧自給率は40%から14%に下落
日本共産党の宮川・ふかや両議員が紹介者となっている「TPPへの参加に反対する請願」は、TPPへの参加は農水省の試算でも食料自給率が40%から14%に急落し、米の生産量は90%減、小麦はほぼ全滅、農業生産額4兆1千億円、多面的機能3・7兆円喪失、雇用が340万人減少する。愛知県の試算でも、農業への影響は824億円で、農業出荷額の26%に相当する。国民の多くが願っている食料自給率の向上とTPP交渉への参加は両立しないとして、国に意見書の提出を求めています。
日本経済の再生は、賃上げなどの内需拡大をしてこそ
宮川議員は、前原誠司前外相は「日本のGDPにおける第1産業の割合は1・5%にすぎない。1・5%を守るために98・5%が犠牲になっている」とのべましたが、その割合でいけばアメリカは1・1%、イギリス、ドイツは0・8%です。それでも先進諸国は農業をきわめて重視しています。それは、農林水産の価値が生産物の販売額だけではかれないからです。
日本にとってTPP参加は経済規模からみてもアメリカとの全面的な貿易の自由化です。いま乗用車の関税率は2・5%です。円高傾向がつづくもとでは関税撤廃効果は簡単に吹き飛んでしまいます。
日本の大企業は、輸出競争力強化を口実に労働者の賃金・労働条件を悪化させ、中小企業を犠牲にしてきました。その結果大企業の内部留保は102兆円も増えましたが、労働者の賃金は28兆円も減り、国内総生産もほとんど増えていません。
GDPにしめる輸出の比重は約15%にすぎず、日本経済の再生は6割近くしめている家計消費です。賃金を引き上げ、社会保障を充実し、中小企業や農林水産業を振興して内需拡大に力をいれるべきと、討論をおこないました。
時間をかけて討議すれば、TPP参加反対の流れと合流する
近藤正俊議員ほか2名の議員より提出された「TPP交渉への対応に関する意見書」は、国民合意が得られるまで時間をかけて討議し、拙速に参加しないことと国内対策を先行して実施することについて国に意見書の提出を求めています。
日本共産党は時間をかけて討議すれば、TPP参加に反対の流れに合流するとして、賛成しました。