市政の動き−政策見解
【11.04.16】東海・東南海地震−震度6弱(市域面積の86%)の想定でよいのか
M9.0を想定し、防災計画の見直しを−日本共産党安城市議団−
マグニチュード9・0、震度7という大地震、津波に加え福島原発事故と3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の被害をもたらしています。この結果をもとに市防災計画の見直しが必要です。
市防災計画は、M8.27、震度5強から6強を想定
安城市は、2002年4月に「東海地震の地震防災対策強化地域」に、2003年12月に「東南海・南海地震防災対策推進地域」に指定されました。
安城市地域防災計画は、こうした指定を受け見直されてきましたが、改めて、その総点検と見直しが求められています。
市防災計画は、安城市に最も大きい被害を及ぼす地震を「東海・東南海地震連動」と想定、その規模をマグニチュード8・27とし、被害等を左表のように想定しています。
東日本大地震は、想定を上回るマグニチュード9・0。これを想定し、防災計画を見直すことが必要です。
不十分な情報伝達手段・・・同報無線整備など多様な方法を
東海地震等の警戒宣言が発令された場合の情報伝達は、防災計画では内閣総理大臣(予知は気象庁)→愛知県→安城市→市民となっています。
問題は市から市民への伝達です。計画では、地震防災信号、広報車、ケーブルテレビ放送、エフエム放送、インターネット等を通じておこなうとしています。
これらの方法では不十分で、広範囲にいっせいに伝達できる同報無線などを整備することが必要です。
防災計画に浜岡原発事故の想定は一切なし
経済産業省原子力安全・保安院は12日、「国際原子力事故評価尺度」で最も重大な「レベル7(深刻な事故)」に当たるとの暫定評価を発表。放射能の流出は深刻です。市防災計画には原発事故に関する想定はありません。この面でも防災計画の見直しが必要です。
浜岡原発の真上に想定震源域
原発の「安全神話」は完全にくずれました。
浜岡原子力発電所(静岡県御前崎)は左図のように東海地震の想定震源域の真上にあります。福島原発事故を超えるとも言われています。
日本共産党は1976年以来、国会で原発の危険性を告発。81年には現在深刻な危機を引き起こしている福島原発や浜岡原発などが、大地震の想定震源域や活断層の真上にあることを示し、「こんな危険な地盤のうえに原発をつくる国は、世界のどこにも例がない」と批判し、計画の撤廃や安全総点検を求めました。
福島原発事故直後、日本共産党愛知県委員会は、中電に浜丘原発の総点検と運転停止を申し入れました。
消防力の強化−消防職員の増員を−
災害時に一番力になるのは消防職員です。
安城市の消防は、衣浦東部広域連合が担当しています。
広域連合は、今回の東日本大震災で「愛知県緊急消防援助隊」として、宮城県内の被災地に消防隊を派遣しています。4月11日現在の派遣状況は、延べ26隊118名にのぼっています。
ところが、こうした活動を支える消防職員は、基準を大きく割り込んでいます。職員数は国基準の59・2%に過ぎません。全国平均との比較でも16ポイント低く100名も不足しています。
住民の生命・財産を守る消防職員を計画的に増員することが必要です。
自然エネルギーへの計画的転換を
太陽光・熱、風力、水力、地熱、波力、潮力、バイオマスなど再生可能エネルギーへの転換をめざし、長期的視野で、計画的に“原発だのみ”から抜け出すことを決断すべきです。
ドイツでは、すでに発電量の16%が自然エネルギーです。福島原発1号機の25基分にもあたる規模です。
また、24時間型社会という社会のあり方を見直すことも重要です。
「原発止めても大丈夫?」
中部電力の発電量の73・3%は火力。原子力は10・7%にすぎません。
2009年の駿河湾沖地震で浜岡原発は2ヶ月間近く営業運転を停止しましたが、停電はなく、中電は「火力と水力でカバーした」と説明しています。