市政の動き−議会報告

【15.10.11】大改悪した直後に「介護離職ゼロ」とは

安倍首相の「第3の矢」に怒りの声

 安倍首相は9月24日の記者会見で、「新3本の矢」と称する経済政策を発表しました。
 そのなかで、第3の矢として「安心につながる社会保障」を掲げ、「介護離職ゼロ」に向けた「介護施設の整備」「介護人材の育成」を打ち出したことに対し、「介護離職をすすめたのは誰だ」と怒りの声が出ています。

介護報酬大幅引き下げで、利用者に負担増を求めた施設も

   安倍内閣は今年4月、介護保険制度始まって以来最大ともいえる大改悪を実施しました。
 なかでも介護報酬を大幅に引き下げたことが、利用者・介護事業所・介護従事者に大きな影響を与えています。基本報酬部分を平均4・48%も引き下げたため、介護職員処遇改善加算の引き上げ分などを加味しても2・27%もの引き下げとなりました。
 市内在住のAさんのお姉さんは、認知症でグループホームに入所されています。3月早々、施設から「介護報酬引き下げに伴う利用料金改定について」と題する文書が送られてきました。その内容は、「介護報酬が引き下げられると、現状の利用料ではサービスの提供のみならず、事業継続が困難になる。引き下げに伴う減額分(月1万4,400円)のご負担をお願いします」というものです。
 4月分からこの額が管理費として上乗せされ、利用者の負担は、いっきょに1万4,400円も増えました。

介護報酬引き下げは、事業所・介護従事者にも大打撃

   「介護離職」は、年間10万人を超えており、対策が必要なことは明らかです。
 ところが安倍内閣は、介護報酬引き下げの他にも特養ホームへの入所条件を厳しくしたり、一定所得以上者の利用料を2割に引き上げる、要支援者の訪問・通所介護を介護保険から外すなど、介護保険制度改悪を強行しました。
 愛知県社会保障推進協議会が実施した事業所アンケートでは、「介護報酬改定で約61%の事業所が減収」となり、「減収と回答した事業所の5.9%が事業の休・廃止を考えている」、「運営維持のために管理者・経営者の給与の大幅カットや職員の賞与見送りを考えている」、職員が「不足」「大変不足」は52%の事業所にのぼり、職員不足の理由として「賃金水準が低い」が71.8%を占めるなど、介護現場の厳しい実態が浮き彫りになっています。
 わずか半年前に大改悪を押しつけながら、「介護離職ゼロ」などと、よく言えるものです。
 言行不一致の安倍政権を倒すことでこそ、社会保障を充実することができます。

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