市政の動き−議会報告

【23.08.13】アイヌ文化の復興と普及拠点 ウポポイ(民族共生象徴空間)〈視察報告〉

専門知識を活かした施設

   ウポポイは、アイヌ文化の復興と普及の拠点としていますが、基本展示では、明治政府による同化政策により自分たちの文化を否定された悔しさや憎しみがあまり伝わってこないと感じました。
 負の歴史に関する展示についても、「前面に出すべき」「前面に出すことで距離を取られるのでは」といった正反対の意見が出されたとの説明を興味深く聴きました。
 「ロシアの博物館には、アイヌ文化のよい資料があり、アイヌの特別展示の計画をしていたが、コロナやロシアによるウクライナ侵攻の影響をうけ、計画がゼロからのスタートになった」との説明があり、文化歴史に造詣の深い学芸員のいる博物館は必ず良い展示を企画できるだろうと期待が高まります。
 安城市歴史博物館は、安城市の歴史や歴史的価値のある物を観覧できる施設で、敷地内には市民ギャラリーや公民館、公園も整備されているので、来館者はゆっくり過ごすことができる場所となっていますが、ウポポイのように国を挙げて先住民族の文化継承のような意味あいの施設ではありません。
 何をウポポイから持ち帰ることができるのか悩ましいところです。安城市歴史博物館には5名の学芸員がいますが、他の分野でも専門知識を活かし、人を育てる安城市であってほしいと思いました。

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