市政の動き−議会報告

【24.06.30】総合福祉センターにバスの乗り入れを

森下さちこ議員が一般質問(6月定例会)

 交通弱者の増加が見込まれる現代で、すべての人が障壁を感じることなく外出できるように、公共交通を整備していくことは、インクルーシブなまちづくりとしても必要な政策です。
 あんくるバス利用者の強い要望を受け、森下さちこ議員は一般質問で、安城市総合福祉センターへのあんくるバスの乗り入れを求めました。

バス停に行くまでも危険

   安城市総合福祉センターには、あんくるバスの乗り入れ運行がされていません。
 施設の特性から、市は利用者の安全を確保するための配慮を行わなければなりません。ところが、循環線右回りと南部線の総合福祉センターのバス停を利用するためには、押しボタン式の横断歩道を渡らなければなりません。
 また、ベンチも屋根もなく、運行状況の案内版もない中、昨夏、車体故障のため遅延するあんくるバスを炎天下のなか40分にわたり待ち続けた利用者もいました。
 利用者からは、乗り入れ運行を求める切実な要望が出されています。

「乗り入れ計画は無かった」

 総合福祉センターは21年から大規模改修を行い、22年10月にリニューアルオープンをしました。しかし、24年6月現在もあんくるバスの乗り入れ運行はされていません。
 森下さちこ議員の乗り入れについての質問に対し、市は「総合福祉センター改修後にあんくるバスが乗り入れる計画はなかった」と答弁しました。

「乗り入れには複数の課題」

 また、乗り入れできていない現状について、「敷地出入り口の高低差が大きく、乗り入れ時に空車でなければ中型バスの底面が接触するという課題の他、乗り入れる敷地が狭いため、中型バスでは施設正面への横づけの際、切り返しが必要となること、敷地内で送迎の福祉車両が駐停車している場合の対応、出入り口から信号交差点までの距離が近いことによる安全面の問題など、複数の課題がある」と答弁しました。

具体的な計画等すらない

 第5次地域福祉計画の中には、「道路の段差解消やあんくるバスのバリアフリー化など、移動時における制約の解消に努めている」と記述されていますが、総合福祉センターのバス停が、高齢者や障害のある人等の移動時の制約となっています。
 森下議員が課題解消のための改善策について質したのに対し、市は「敷地出入り口の高低差の課題を解決するためには、敷地該当部分の地盤切り下げや庭園部分の撤去など大規模な改修工事が必要となる。また、信号交差点で県道を横断する視覚障害の方や車いす利用者のために、青信号の時間延長を警察に依頼しているが、実現できていない」と述べ、「現時点で具体的な計画等はない」ことを明らかにしました。大規模改修で課題解消につながるとの認識がありながら、具体的な計画等に発展させないのは、やる気の問題です。

「施設を出る前に知っておきたい」と利用者の声

 総合福祉センターからあんくるバスを利用する方から、施設内で運行情報を得ることが難しいという問題も出されています。
 森下議員は、施設内でバスを待つことができるよう、施設の出入り口付近に運行情報が確認できるデジタルディスプレイを設置するよう求めました。
 しかし安城市は「窓口の施設職員がパソコンでバスロケーションシステムを確認し、個別にお答えする」と答弁しました。

アンフォーレにはあるのに

   市は「利用者の問い合わせには、丁寧な対応に努める」としますが、バスの遅延に気が付くのは、施設を出て、横断歩道を渡り、待つスペースの確保されていないバス停にいるときです。
 わざわざ引き返し、職員に問い合わせをするのでしょうか。
 アンフォーレの1階出入り口には、既にデジタルディスプレイでバスの運行情報が案内されています。なぜ、より配慮が必要な人が多く利用する総合福祉センターには設置することができないのでしょうか。

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