市政の動き−議会報告
【22.03.06】〔財政調整基金〕真に必要な額なのでしょうか…21世紀最高の84億円
補正予算は基金関連が中心
3月2日に安城市議会が開会。市長から条例の新設や一部改正、2022年度予算、2021年度補正予算などが提案されました。このうち一般会計補正予算は、歳入が増えた一方で歳出が減少したことにより生まれた財源を各種基金に積み立てたり、取り崩しを中止する内容が中心となっています。
20億円余の取り崩しを中止し、新たに20億円余を積み立て
一般会計補正予算の総額は、約5億3200万円に過ぎませんが、その中身は多額の補正となっています。
個人市民税が3億円、法人市民税が10億円、固定資産税が3億円、法人事業税・地方消費税の交付金が合わせて5億円、国庫支出金が4億円、繰越金が2億円などの歳入増が見込まれること、一方、歳出で各種工事費や企業投資促進補助金などが減額となりました。
その結果、新たな『財源』が生まれました。
この財源の使い道として、当初予算で基金の取り崩しを予定していた額の内20億円の取り崩しを中止するとともに、新たに2基金に20億円を積み立てることにしています。
新設基金(庁舎整備基金)含め 20基金の総残高は305億円超
安城市は現在、財政調整基金の他、公共施設保全整備、都市基盤整備などの目的を持った基金、国民健康保険や介護保険など特別会計の基金など計20種類の基金を保有し、2021年度末残高は305億960万円にのぼります。
特別な目的を持たず「年度間における財政調整に資するため」の財政調整基金は、取り崩し予定額のうち6億7200万円の取り崩しを中止します。
これにより財政調整基金の年度末残高は84億3400万円余となり、2000年以降、最高の積立残高です。2000年代初頭は20億円台で推移していましたが、2007年以降、大幅に増えています。(下表参照、単位:億円、百万円未満は4捨5入、2021年度は見込み額)
今、必要なのか? 庁舎整備基金積立
「安城市庁舎整備資金を積み立てるため」として、「安城市庁舎整備基金の設置、管理及び処分に関する条例の制定」議案が提出され、補正予算に5億円を積み立てる予算が計上されています。
しかし、「なぜ市庁舎を整備する必要があるのか」「いつ、どこに、どれ位の建物とするのか」「整備費はどれ程になるのか」「今、5億円を積み立てなければならない必要性」など、明確な説明はありません。
積立をすれば庁舎整備以外には使用することができません。
市長は、市民が納得できる説明をすることが必要です。
コロナ禍で苦しむ市民のために給食費無料化などに使うべき
コロナ感染が広がるもとで、子育て世代を中心に市民のくらしは、いっそう厳しさを増しています。
年度末になって多額の『余裕金』がでる行財政運営を改め、市民の貴重な財源は市民に還元する立場にたち、要望の強い学校給食費の無料化など、市民が願う事業のために使うべきです。