市政の動き−議会報告

【24.02.11】人口減を止めるのは難しい 高梁市(岡山県)

産科医療機関がない

 安城市議会少子化対策特別委員会は、岡山県高梁市の取り組みを調査しました。
 古来「備中の国」の中核として繫栄した岡山県高梁市の人口のピークは1947年の7万5570人。1975年には5万人を切り、2040年には2万人を下回る見込みとなっています。
 一方、安城市は製糸業が盛んであった1920年に3万7000人であった人口は、1950年には6万1000人となり、2027年の18万9600人をピークに、その後減少する見込みとしています。
 高梁市の人口減少に危機的なものを感じます。空き家バンク創設と活用促進助成金、若者定住促進住宅助成金、移住コンシェルジュの配置など、複数の取り組みを実施していますが、2015年から2020年の5年間における人口減少率が約9.4%減で、県内で最高となっています。
 市HPには移住情報が探しやすく、移住者の移住後の活躍も伝わってきました。農業を生業にし、子育てをしたい人にはとても魅力的に移りますが、高梁市には出産できる産科医療機関がありません。年間200人の出産がないと経営が難しく、2013年になくなりました。陣痛や破水の兆候などがあり、移動手段がない場合に救急搬送ができる制度もあるが、とても安心して出産できる環境ではないように思います。

保育環境は大いに学べる

   高梁市では保育士不足の解消のため、保育士養成奨学金貸付制度や保育士等の処遇改善が実施されています。
 感心したことは、担任を持つ保育士は全て正規採用が原則で、保育の質を確保するために人員配置に余裕を持たせ、加配保育士の充実や事務職員の配置を実践しているところです。また、23年6月からは保育園等で使用するおむつの無償提供が始まり、10月からは育休退園も廃止になっています。安城市から見ると非常にうらやましい保育環境であるように思います。
 人口減や少子化による影響で来年度以降保育施設は縮小傾向にありますが、逆手にとり、保育環境や教育環境を充実させることで、労働環境も改善し、「働きながら子どもを育てるなら高梁市」と選ばれる自治体になる可能性も秘めているのではないかと思います。

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