市政の動き−議会報告
【21.12.12】長時間労働・ハラスメントなくせ!
市職員の働き方で森下さちこ議員が一般質問
安城市議会12月定例会の一般質問が12月1日、2日の両日行われました。
森下さちこ議員は2日の14時10分に登壇し、「市職員の働き方」「防災について」「介護保険料の引下げについて」の3テーマで質問をしました。
今週号は「市職員の働き方(長時間勤務とハラスメントを無くす取組)」についてを報告します。
長時間労働は過労死の要因のひとつ
日本の労働時間の長さは先進国の中でも異常です。
安城市役所の職員の働き方は、昨年度、過労死ライン(時間外勤務が100時間以上、または2か月から6か月で平均が80時間以上)を超えて働いた職員は43人。月に時間外勤務が45時間を超えた職員は222人、他律的業務の比重が高い部署として指定をした職場において、月の時間外勤務が100時間以上の職員数については36人いたと、9月議会で明らかになっていました。
最多の時間外勤務は1078・25時間。長期休業されていた職員については34人、そのうち心の病気は29人おり、増加傾向です。
少数先鋭では、無くならない時間外勤務
市は「新型コロナウイルス感染症対策など通常業務以外の対応があるため、ゼロにすることは難しい」としつつ、「過労死ラインを超えるような長時間勤務の是正や、時間外勤務を削減することは重要な課題」だとの認識を示しました。
「ノー残業デーの庁内一斉放送の再開」や「職員定数の見直し・増員で業務負担の軽減」を図ること、また、管理職に対し「所属職員の月45時間を超える時間外勤務の要因となった業務の報告」と「同業務について具体的な取り組みを考えるように指導」することで、年間4000時間程度の減少を見込んでいると答弁しました。
しかし、昨年度の総時間外勤務時間は16万 5043時間で、今の取組では時間外勤務を無くすために40年以上必要です。
昨年の総務省の調査では、安城市の人口1万人当たりの職員数は50・73人ですが、刈谷市では61・31人と、10人以上の差があります。
市民からのニーズが多様化している中で、時間外勤務が大きく縮減できるように、職員目線で時間外勤務を縮減し、適正な業務量や適切な人員配置を研究し、取り組むことが求められます。
667人中153人が ハラスメントありと回答
2018年12月議会で宮川前議員が、庁舎内でのハラスメントの実態を把握するアンケートを実施するよう求めました。それを受けて安城市は、19年度より職員に対しアンケートを実施しています。
昨年8月に実施されたアンケートでは、回答のあった667人中、63人が「これまでにハラスメントを受けたことがある」と回答、90人が「他の人が受けているのを見た」と回答しました。
記名、無記名、自由記述のアンケート結果から、パワーハラスメントと思われるものが全体の7割と最も高くなっており、庁舎内でパワーハラスメントが行われている実態が明らかになりました。
森下さちこ議員は、回答された153件の対応について質しました。
市は「記名で回答があったものに関しては、人事課において回答者本人から聞き取りを行っている」と答弁しました。
しかし行為者への対応については、上司などを交えて面談や指導等行うこととしているが、「回答者が望まなかったため、回答者からの聞き取りや相談にとどまっているケースも多くある」としており、簡単に解決できない問題であることが明らかになりました。
ハラスメントのない職場を目指し、いっそう力を入れると答弁
3年前に小牧市職員が上司からパワハラを受けたことを示すメモを残して自殺をしています。公務災害と認定され、今年11月には、市が遺族に賠償金を支払うことで和解する見込みだという報道もありました。
職場におけるハラスメントについての答弁に立った三星副市長は、「働く人が個人の尊厳や人格を不当に傷つけられたり、職場の秩序の乱れや業務への支障が生じるものであり、決してあってはならないもの」との認識を示しました。
アンケートや研修、定期的な啓発による職員の意識変革を促すことで、職場のコミュニケーションを活性化させ、職員が活き活きと働くことができる職場づくりを行うとともに「アンケート項目も見直しながら、漏れのない情報の集約や行為者に対する厳格な対応に努め、ハラスメントのない職場を目指し、職員への指導に一層力を入れていく」と答弁しました。