市政の動き−議会報告

【22.09.18】加齢性難聴者への補聴器購入補助を

補聴器は高額で、利用者の負担と答弁しながら

   9月2日に行われた安城市議会定例会一般質問において、森下さちこ議員は「加齢性難聴者への補聴器購入費補助制度の創設」を、市に求めました。
 昨年6月定例会に、全日本年金者組合安城市支部から「加齢性難聴者に対する補聴器公費助成制度制定を求める請願」が提出されました。森下議員と他2名が賛成したものの、議会では否決されました。
 難聴は年齢を重ねれば、誰にでも起こりうるもの。WHOは「難聴が認知症のリスクになりうる」とし、別の医療機関の調査では補聴器装着の効用として、日常生活動作に関する「意欲」のスコアが高くなるとの結果も出ています。
 市は「補聴器は片耳で平均15万円程度と高額で、利用者の負担になっていることは承知して」いるものの、「独自の補助制度の創設は考えていない」と答弁しました。

一定数の高齢者が聞き取りにくい状況にある

コロナ禍が続き、高齢者はマスクやアクリル板越しでの会話が聞き取りにくくなっています。聞こえないということは、人間関係を続けるための大きな障壁となり、コミュニケーションの輪から当事者を排除することになります。安城市における加齢性難聴を含む聞こえづらさを感じている人の実態について市は「把握していない」としますが、2021年度に行った介護保険認定調査の聴力調査から、「一定数が聞き取りにくい状況にあると考えられる」と答弁をしました。

難聴者の補聴器利用率はデンマーク66%、日本17%

   補聴器は購入してから自分の耳に馴染ませるための訓練(微調整)が必要で、その上、耐用年数が5年程度の消耗品です。日本において補聴器そのものの利用が進んでいない現状もあります。
 市では「加齢性の難聴及び補聴器に関して、市民向けの啓発はしていない」が、「高齢者に接する機会の多い地域包括支援センター及び地区社会福祉協議会などの専門職が、難聴が疑われる高齢者に対し、適切に医療機関への受診勧奨をできるようにするため、研修会等を通じて知識の向上に努める」考えを示しました。

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