市政の動き−議会報告
【24.07.28】安城市庁舎の検討始まる
災害拠点としての耐震性
現在の市庁舎は、一定の耐震性能があるものの、発生が予測されている大地震の際に、防災拠点として使用できなくなる恐れがあります。
2016年4月の熊本地震では、耐震改修を行っていた庁舎が使用できなくなり、災害対応を別の建物や屋外で行った事例もあり、災害拠点となる庁舎は構造耐震指標の「�砧燹彖蠹�を満たすことが望ましいと考えられます。
老朽化・本庁舎は築５８年
「市公共施設等総合管理計画」「市公共建築物等個別施設計画」「市公共建築物保全計画」では、公共施設の耐用年数の目標を「90年」としていますが、築22年及び築67年で保全工事、築45年を目安に大規模改修を行うことが前提です。
しかし大規模改修には、給排水管及び電気配線の更新等のため長期間施設を閉鎖することが必要となります。庁舎という性質上、長期間の施設閉鎖は困難です。
すでに本庁舎は築58年が経過し、おおむね近隣自治体が庁舎を建替えるまでの経過年数を超えています。
また、庁舎機能の分散化や、通路や待合の狭隘化等の問題も抱えており、市民サービスと業務効率の低下を招いています。
その他にも、ユニバーサルデザインの欠如、駐車場の不足、環境への配慮といった課題も抱えています。
庁舎建替えが望ましい
検討会で現庁舎の課題を洗い出した結果、これまでの応急措置的な対応では解決が困難であると判断したとしています。
課題解決のための庁舎整備手法については、�〃�替え（庁舎を集約し、新庁舎を1棟建設する案）��耐震強化及び大規模改修（耐震化・大規模改修を行い、狭隘化解消のために新棟増築する案）�Ｌ唄峽�物等の賃借（庁舎機能を他の建物に移転する案）の3つの案が出され、比較検討を行った結果、庁舎の建替えが最も望ましいとしました。
整備場所の検討
庁舎の建替えにあたり、整備場所についての検討も行っています。
現在と同じ場所（庁舎、市民会館、安城公園敷地）に建替える場合、築40年の北庁舎の存廃、安城公園と市民会館との再整備等も含め、街区全体の景観や、周辺と調和した配置計画の検討が必要となります。
また、現在と異なる場所に移転建替えをする場合は、人口重心、物理的重心の考慮や敷地面積の確保、災害リスクの少ない候補地の選定のほか、市有地確保が困難な場合は、用地買収、宅地造成等も必要となります。
総額で２４０億円の大規模事業
庁舎建て替えに係る費用は、一般財源のほか、地方債（一般単独事業債）、庁舎整備基金を活用するとしています。基金は2021年から積立が始まり、2024年3月末で30億円が積み立てられました。
3月議会では「総務省の基準や近隣自治体、職員数を基に試算した結果、延床面積は2万5000〜3万2000�屐文縦�舎の1.5倍）で、総額240億円が必要となる」と答弁しています。
今年4月、安城市庁舎整備基本構想策定業務がプロポーザル方式で公募され、実施要領に基づく審査の結果、株式会社国際開発コンサルタンツ名古屋支店が優先交渉権者に決定しています。
