市政の動き−議会報告
【24.08.11】水戸市(茨木県) 住民訴訟も起きた市民会館建設
金はなくとも教育と文化重視
水戸市は以前、市庁舎と市民会館が隣接し駅南地区に建てられていましたが、現在は同地に市庁舎のみが整備され、市民会館は線路を超えた中心市街地の「MitoriO(ミトリオ)」に移転新築しました。 伊藤豊雄建築設計事務所が設計を手掛けた市民会館の外観は街になじむデザインで、
2000席のメインホールの壁(吸音材)が市の花である梅の花のデザインなど、内装はそれぞれに趣向を凝らしています。
商業で栄えた水戸市は財政に余裕がなくても、文化や教育には力を入れる土地柄で、農業や産業で栄えた安城市とは気質が異なります。
市民会館建設事業は震災復興プロジェクトであるとともに、空洞化となった中心市街地のにぎわい再生のための起爆剤としています。 偕楽園公園や弘道館などの観光資源の活用、新施設によるにぎわい創出の相乗効果、公共交通機関を活用しての動線作り方など、まちづくりの視点は参考になります。
当初計画を曲げない意志
市民会館には市民のサードプレイスとなる場所が整備されています。学生が勉強をする環境もあり、安城市民会館では見られない光景がありました。
市民会館建設を含む震災復興4大プロジェクトには大規模な事業費が必要で、生活道路の整備等の遅れも出ているという話もありました。駅周辺の道路は広々と整備されていましたが、駅周辺を少し離れると、また違う顔をしているのでしょうか。まちづくりに関して明確なビジョンを示し、かたくなに突き進むことで来館者も想定以上の成果となっていますが、税金の無駄使いとの住民運動が訴訟にもなっており、住民サービスについて市民の評価をお聞きしたいものです。