市政の動き−議会報告
【24.08.11】太田市(群馬県) トップダウンで進むアリーナ事業
市民との合意形成なく建設
自動車産業に支えられている太田市は、観光資源に乏しく、町の雰囲気も安城市に似ていますが、現太田市長の在任期間が通算8期と長く、トップダウンの市政となっているところは大きく異なっています。
アリーナ建設では、市長と民間企業のトップとの話し合いで、計画自体が非常に短期間に進められました。企業版ふるさと納税制度を利用し、44億円もの多額の寄附をして、なお利益を出せる民間企業と手を組み、市民の声を一切聴かずに、総合運動場内の市民が利用していたサブグランドの上にアリーナを建設しています。市民への説明やアンケート調査などもなく、合意形成も図られない市政で良いのかと思いました。
VIPルームは誰のため?
既存の市民体育館は老朽化で建替えの検討もされていましたが、アリーナ建設後も取り壊されることなく、気軽に利用できる市民のスポーツの場となっています。
2026年に始まるバスケットリーグBプレミアは、より稼げるスポーツリーグとして、アリーナにVIPルームの設置を求めています。
アリーナ太田にも、それほど豪華ではありませんが、VIPルームが設置されていました。公共施設は誰もが平等に利用できることが前提ですが、開業から1年以上経過した現在も、市民によるVIPルームの利用はありません。
アリーナ太田でバスケットボールの試合があるときは、地域社会への経済的な効果もあるとのことですが、財政的負担の割に、市民サービスも限定的な事業であると思います。 新自由主義を掲げて国は「アリーナを核とするまちづくり」を宣伝し、行政に企業を参入させる官民連携を推進していますが、負の遺産になることが心配されています。